学びを祝うふりかえり手法「Celebration Grid」の紹介

こんにちは。

中原です。

この記事は「ふりかえり Advent Calendar 2019」の15日目として投稿した内容になります。

https://note.com/naka_3/n/n09663637027a

 

はじめに

みなさん、ふりかえりはされていますか?

どのような期間で、どのよな手法でふりかえりを実施されていますか?

 

ふりかえりの対象とする期間にはスプリントやイテレーションといった1~2週間単位の短期のふりかえりから、1~3か月といった中長期のふりかえりまで、色々な期間があると思います。

どれぐらいの期間をふりかえるかによって、ふりかえりの主目的参加者や適した手法も変わってくるのではないかと思います。

 

私は短期(1~2週間)のふりかえりではコミュニケーションの円滑化を最優先に考えています。

具体的には、短期のふりかえりの時間を二部構成にしています。
プロセス面や(特に開発)環境面のふりかえりはメトリクスをもとにした定量的なふりかえりによって行い、コミュニケーションの円滑化は各自が感じたことを忌憚なく言い合える場KPT等を用いて形成するようにしています。

コミュニケーションの円滑化のためのふりかえりでは「天気が良かった!」とか「xxさんと激辛カレーを食べに行った」「子供が体調をくずした」など業務と全く関係ない事も自由に挙げてもらいます。

そうすることで、一緒に仕事をしている仲間がどういった事に喜びを覚え、プライベートで何が起こっているのかを知ることができ、人間として興味を持ちあえるように心がけています。

 

中長期のふりかえりも原則は同じですが、対象の期間が長くなればなるほど問題の根が深くなる事も多々あります。

ともすると、責任の押し付け合いになったり反省会になってしまいます。

 

Celebration Gridの紹介

 

そこで、今回は私が中期(1か月~3か月ぐらい)のふりかえりで使っているCelebration Gridという手法をご紹介したいと思います。

 

Celebration Gridは行動と成果を比較し、学びを称える手法です。

 

成功体験に基づいた習慣的な行動は、成功確率が高いです。しかし、新たな学びは多くはありません

一方で間違った行動は往々にして失敗確率が高くなります。この場合も学びは多くありません

最も学びが多い行動は、実験的な行動です。実験的な行動は成功と失敗の確率は半々程度で、学びも大きいです。

Celebration Gridは下図のように行動と成果の比較によって、学びを可視化する構造になっています。

画像1

 

このGridをテンプレートとして、期間内にやったことをみんなで議論して付箋でぺたぺた張り出します。
そして、失敗したか成功したかよりも「何を学んだのか」「次はこうやってみよう」という学び実験に焦点をあてた議論を行います。
結果はWorking Agreementやプランニングに反映します。

 

最近では、多くの組織で「失敗を恐れるな」なんて言われます。
しかし、実際は失敗するとはげちゃびんに叱られちゃうことが多いのではないでしょうか?

そのため、私たちは知らず知らずに失敗を避けてしまう傾向があります。

 

そこで、失敗を許容し、実験を前向きにする目るためのステップを、Celebration Gridの出展元であるManagement 3.0から引用します。
(ちょっとだけ意訳しています)

1. 成功したか失敗したかだけではなく、早く学ぶことを目的とする
2. 安全に失敗できる(実験できる)環境を整える
  - 実験は失敗する場合もある事を共通認識にしておく
       - 失敗の影響を最小限にする仕組みを作る(実験特区を用意したり小さく試す等)
       -  失敗を失敗と認め、失敗から学ぶ姿勢を持つ 

 

まとめ

私はCelebration Gridを中期的なふりかえり(e.g. 1か月程度の周期で行うリリースふりかえり)で活用します。

冒頭で述べた通り、短期的なふりかえりはコミュニケーションの円滑化を目的にするため、私はCerebration GridよりKPT(A)やFDLの方が自由度が高くて好きです。

一方で中期的なふりかえりの場は、チームおよびチームに密にかかわる方々のマインドと文化を再セットアップするタイミングでもあります。
その際に学びを可視化するツールとしてCelebration Gridはとても良いツールだと思います。